藤ノ木橋 – コンクリートローゼ橋

長野県道18号の喬木村内を走行していると、橋の袂に「阿島の大藤」と書かれた看板が目に入ってきます。
「阿島の大藤」は川沿いにある安養寺というお寺の境内に広がる昭和初期に造営された藤棚で、十数本の藤の木が植えられており、もっとも古いものでは樹齢400年を超える古木もあるという名所です。

その「阿島の大藤」から加賀須川を上流方面へ400mほど進むと、円弧を描くコンクリート橋が見えてきます。これが藤ノ木橋です。

おそらくは阿島の大藤にちなんだと思われる名前。

銘板は磁器製の表札のようなタイプ。左岸上流側は「藤ノ木橋」。

左岸下流側は「加々須川」。下流の県道に掛かる橋(名前を失念しました・・・)の銘板には「加賀須川」とありましたが、こちらは「加々」と表記されています。

橋の大きさに比べて少し細めにも感じられるアーチ。

横桁には電球が吊るされていて懐かしい趣き。

右岸上流側の銘板は「昭和44年3月竣工」。RCローゼ橋としては比較的後年の建造になるのではないでしょうか。

最後に右岸下流側の銘板は「ふじのきばし」。

行き違いできる幅がない狭い橋ですが、ある程度交通量があり前後のスペースで待避して譲り合う光景も見られました。

緩やかなカーブ。

欄干とアーチ材が一体化している端部が、個人的には結構好きなポイントだったりします。
一体成型されているさまが面白く感じられます。

橋を見渡す場所には水神様が祀られています。
巨岩の下にはなぜか水路が通り抜けています。水路を建造するにあたって苦肉の策だったのでしょう。

水神様。

とりたてて何があるというわけでもないごく普通の町並みに、突如としてコンクリートアーチが現れるのが長野県の面白さです。
年々数は減りつつありますが、いつまでもこの姿を守り続けてほしいものです。

 

場所はこちら。


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