栄橋 (山形県遊佐町)

国道7号で酒田市街を北上して遊佐町との境にある日向川を宮海橋で渡るとき、いつも風変わりなシルエットの橋がチラリと見えるのが気になっていました。
いつもは先へ急ぐ旅なのでそのまま通過していましたが、どうにも気になって仕方がないので、2013年8月の旅行時に立ち寄ってみました。

まずは国道7号宮海橋からの眺望。右半分と左半分であからさまに橋の構造が違う…。

アップで。
現代風のコンクリート桁橋と、頼りなげな橋脚が連なるいかにも古びた橋とが無理やり連結されています…。

宮海橋を渡り遊佐町へ入り、国道から左折して狭い道を進んでゆくと、橋の右岸側の袂に到着します。
「栄橋」の補助標識を従えた重量制限2.0tの規制標識。そしてその先には「通行止」の看板が。

どうも老朽化のため通行止の措置がとられているようです。
帰宅してから調べたら、2012年10月より通年通行止めとなっている模様。もっと早く来ていれば渡れたのか…。

右岸側半分は古い構造のままになっており、欄干も木製。かなり老朽化が進んでいるようで、鉄パイプで頑丈に補強されています。

望遠で接合部分を。
かなりの急傾斜ですね。もし通行できたとしても、段差部分で車の底を摺ってしまいそうな予感。

左岸側へ回ってみます。こちらにも右岸側同様に規制標識がありますが、そちらとは異なりかなり手前に設置されています。
橋はこの道を進んだ木々が茂る先にあります。

こちら側も鉄パイプの柵で塞がれています。

取り付け部分の道路もすっかり雑草に覆われています。

ちょっと失礼して親柱のところまで行ってみました。

銘板は上流側が「栄橋」、下流側が「竣工 昭和五十一年十月」。
ということは、かれこれ37年間もこの状態が継続しているということですか、ひょっとして。

こちらからもズームで段差部分を。
やはりかなり大胆な傾斜。

調べて見たらWikipediaに栄橋の項がありました。

それによると、1974(昭和49)年頃の水害により左岸側が大破し、復旧にあたって県の指導により嵩上げが行われ、既存部分との間にこのような段差が生じたようです。

この川が酒田市と遊佐町の境界にあたることから、財政的に余裕のある酒田市側だけで立派に改修され、財政が厳しい遊佐町側はそのままになっているという噂もあるようですが、実際には栄橋付近は川を挟んで両岸とも遊佐町内のためこの噂は誤りで、残り部分の架け替えに掛かる費用と効果の面でバランスがとれず事業が進んでいないというのが実情のようです。

現在ではすでに渡橋不可ではありますが、なかなか見られない形状の橋梁なので、近くを通る際には、ちょっと寄り道をしてその姿を眺めてみてはいかがでしょうか。

 

場所はこちら。


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