大町の隧道(宝戒寺トンネル) – 鎌倉隧道めぐり

以前ご紹介した「東勝寺橋」から更に谷戸を奥へと進み、途中で南へ分かれる道を入っていくと、次第に急な上り坂になります。
この坂を上り詰めたところに、小さな隧道が口をあけています。

扁額などがなく名前が不明なので、仮に大町の隧道と称します。小町と大町との間を結んでいます。

[追記]
調べた結果、宝戒寺トンネルという名称だとわかりました。タイトルも変更いたしました。

 

小町側坑口。北向きなので終日薄暗い印象です。
坑門はコンクリート造りですが、煉瓦積みのような模様が筋彫りで描かれています。

キーストーンまで再現する凝りようです。

大きさは軽自動車がギリギリ通行できる程度。実際に軽自動車が進入してきたら人をやりすごすことすら出来ないでしょうが。
ただし、特に標識や看板で車両通行が規制されてるということはありません。

洞内はコンクリートのO型すべり止め舗装。蛍光灯がたくさん設置されているので、狭くて長い割には洞内は明るい印象です。

実は以前この隧道の近くに住んでいたことがあるのですが、少なくとも昭和50年代前半は、素掘り、未舗装でした。
洞内照明も裸電球が一つか二つぶら下がっているだけで非常に暗く、硬く締まった未舗装道は常に湧水でジメジメしており、幼心に通り抜けるのが怖かったのを記憶しています。

現在は鋼製コルゲート巻きで整備され、不気味さは微塵もありません。

坑口付近はコンクリート巻き。途中からコルゲート巻き立ての分だけ幅員が狭くなっています。

大町側坑口は南向きなので、小町側に比べて明るい印象。

大町側坑口は右手に梯子が設置されています。

坑門の筋彫り模様以外には取り立てて特徴のある隧道ではないですが、私にとっては幼少のころから馴染み深い、大好きな隧道の一つなのでありました。

[追記]
図書館で資料を調べていたら、この隧道についてのエピソードが見つかりましたので別途ご紹介しています。

 

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