蒲原鉄道モハ41

蒲原鉄道は、新潟県五泉市から村松町を経て加茂市までの21.9kmを結んでいたローカル私鉄です。
加茂-村松が1985(昭和60)年に、村松-五泉が1999(平成11)年に廃止され、創立以来77年の長い歴史に幕を閉じました。

しかしながら、在籍していた車両のうち実に8両が今なお保存されており、この鉄道が地域に愛されていたことがうかがえます。
廃止された鉄道で、開業から廃止までの総在籍車両15両の半数以上が全線廃止後14年を経て残存している事例というのは、ほかには見られないのではないでしょうか。

モハ41は、晩年主力として活躍した車両で、現在は五泉市総合会館に保存されています。

立派な屋根が設けられており、保存状態は良好です。

正面から。旧型車両にしては珍しい大きな二枚窓が特徴。

車体の大きさの割には華奢に見える台車。新造時に小型の旧車両から台車を流用したものだそうです。

型式や自重、点検日などの表記は、当時は手書きでこんなにちゃんとしていなかったのではないかと思いますが…。

床下の機器箱の文字は味わいのある手書き。やはりこうでないと。

説明看板。鉄板を電車の形に切り抜いてあるあたり、かなり手間がかかっていますね。

床下機器とか詳しくないのですが、抵抗器ですかね、これ。ロボットの顔のように見えて面白いです。

サボ。こちらも当時はこんなに書体はちゃんとしていなかったはず。手書きっぽい字がうっすら透けて見えていますね。

車内は懐かしい木の床。

吊り革を下げる金具など、この時代のものはさりげないところまできちんとデザインされていて良いですね。
そして照明は蛍光灯むき出しではなく、きちんとカバーがかけられています。

ドア横の照明にもカバーが。

運転室は半分壁の無い開放的なつくり。前がとても良く見えます。

しかしながら運転席自体は間仕切りで区切られているので、少し狭い感じがします。

廃止時の運賃表がそのまま掲示されています。末期は路線の大半を廃止し僅か三駅のみでの営業でしたが、それでもほぼ全線にわたり県道が平行していたにも関わらず14年間営業が継続できていたというのも興味深いです。

そして最後に現役当時のモハ41の写真を。記録を残していないので正確な時期は不明ですが、恐らく1990年の2月か3月のはず。
五泉-今泉間にて。

保存されている場所はこちら。


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