火の見櫓図鑑

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下部温泉の火の見1

火の見櫓

屋根 6角型
半鐘 なし
見張台 ○型
□型

信玄の隠し湯として知られる古湯下部温泉の中心街、景勝「天狗岩」の上部に建つ櫓。もともとは大正期に木造のものが、また昭和初期には鉄骨造の火の見櫓が建造されていたが、1942(昭和17)年頃の金属供出で一旦失われ、現在の櫓は1968(昭和43)年4月に再建されたもの。昭和前期の櫓については「絵葉書の中の火の見櫓」に当時の絵葉書を掲載しているので参照されたい。
屋根は反りのついた六角形で、頂部には装飾が施された避雷針と風向計を頂き、隅棟には蕨手が見られる。半鐘は設けられていない。
見張台は円形で、高欄は手摺と下部外縁が等辺山形鋼、水平材が平鋼、垂直材が丸鋼製で、垂直材の間には丸鋼を細工した装飾が施されている。床版は平鋼を簀の子状に並べたもの。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材が丸鋼をリング状のバックルで締結したもの。各部の接合はプレートにより、主材はリベット、水平材は六角ボルト、斜材は六角ナットでそれぞれ締結されている。
梯子は二段で桁内設置。中間の踊り場は張り出しはなく、上部にアーチ状の方杖が設けられている。高欄は手摺が等辺山形鋼製、垂直材が丸鋼製。下部の主材には「甲府市イセ町 TE(3)三六二九番 中村ポンプ工場 昭和四三年九月建設」と記された製造銘板が掲示されている。
基部は起伏のある岩の上に立地する事から、かなり頑丈な基礎が設けられている。また、ややオフセットして先代の櫓のものと思われる基礎の遺構も残存している。脚元には祠が祀られている。

(2021年11月訪問)

全景 見張台 屋根 見張台高欄 踊り場 基部 基部(旧櫓基礎) 製造銘板

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