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桃介橋

 木曽路を中津川から北上して南木曽の町に入ると、大きな四径間の吊り橋が突然現れる。まるで木曽路の門番のように建つその橋の名は、桃介橋という。

 この橋は、大同電力が少し下流に建造した読書発電所の建設資材運搬路として架橋されたもので、その名は福沢諭吉翁の娘婿にして日本の電力王とも称され、大同電力の社長を務めていた福沢桃介に由来している。

 木曽というと古い宿場町の印象が強いが、このモダンな吊橋もまた、木曽の風景に非常に調和しているように感じられる。アーチをあしらった支柱のデザイン、特に中間の支柱は、川の中州へ下りる階段とも合わせて優美な印象を見る者に与えている。

 一度は老朽化で通行止めになったものの、現在では近代化遺産としいの意義が見直され、復元されて読書発電所施設の一部として重要文化財に指定されている。末永く木曽のシンボルとして残したいものである。

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