火の見櫓図鑑

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大和田の火の見

火の見櫓

国道473号沿い、大井川鐡道 大和田駅から北へ300mほど進んだ先の路地との角に立つ櫓。非常に背が低く、基部一節目のすぐ上が見張台という必要最低限の構成。しかしながら、四角錐状で鼻隠しにうろこ状の装飾が施された屋根を有し、その下の欄間にあたる部分は内側に反りのついた形状で、下端も円弧状に造作されており凝った造りとなっている。屋根の頂部には、丸鋼をカールさせた装飾を施した、先端が大きなダイヤ形をした避雷針が設けられている。半鐘は屋根裏中心部に吊るされている。
見張台は桁内にはなく、梯子の踊り場部分が見張台を兼用している。屋根下の構成材は、等辺山形鋼製の水平材と平鋼をX字状に組んだものとなっている。
梯子は二段で、上段は僅か二段、下段も足場は三段のみ。前述の通り踊り場部分が実質的には見張台として機能しており、高欄は手摺部が鋼管製、垂直材が太目の平鋼製、水平材が細めの平鋼製となっており、垂直材は上部が外側へ向けて弧を形成しており、手摺は外側へやや張り出している。
脚は四本で、節は基部の一節しか存在しないが、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材が丸鋼をリング状のバックルで締結したもの。基部の上端と見張台部は主材の幅が異なっており、梯子も途中で切断されたような形状になっていることから、元は背の高い櫓だったものを、中間部分を取り払い基部と見張台部のみに組みなおしたように思われる。
基礎は玉石積みの石垣の上に設けられており、コンクリートに埋設されたベースプレートとジョイント金具でボルト締結されている。
隣接する倉庫らしき木造建造物に阻まれてほぼ目視が不可能だが、側面に消防信号表が掲示されている。信号表は琺瑯ではなく塗装のため褪色、腐食が進んでいる。

(2019年12月訪問)

屋根 □型
半鐘 あり
見張台 □型
□型

全景 見張台 屋根 見張台高欄 基部 消防信号表

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