火の見櫓図鑑

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富士吉田市消防団第十八分団

火の見櫓

屋根 □型
半鐘 あり
見張台 〇型
□型

 富士吉田市街の中心部を貫く国道137号沿い、上吉田地区のコミュニティセンター入口に建つ櫓。屋根は四角錐で、装飾的な要素は見られない。半鐘は屋根裏中心部に吊るされている他、スピーカーが二方向へ向けて設置されている。
 見張台は円形で、高欄は手摺、水平材、下部外縁が等辺山形鋼製、垂直材が丸鋼製。手摺と上部の水平材との間には丸鋼を円形に組んだ装飾が、水平材の間には丸鋼をS字状に組んだ装飾を垂直材を中心に線対称に配している。床版は平鋼を簀の子状に並べられたものの上に、更にエキスパンドメタルを敷いている模様。
脚は四本で、主材、水平材が等辺山形鋼製、斜材が丸鋼をリング式のバックルで締結したもの。見張台直下の斜材だけは、平鋼をX字状に組んだものを二組入れてある。各部の接合はプレートにより、主材とはリベットで、水平材、斜材とは六角ボルトで締結されている。
梯子は二段で、上段が桁内、下段が桁外設置。中間の踊り場は張り出しがなく、高欄は手摺部が等辺山形鋼製、垂直材が丸鋼製。踊り場にも半鐘が吊るされている。下段梯子への出入口部分はアーチ状に造形されている。
基部は裏手の下吉田コミュニティセンターへの通路を跨ぐ形状となっており、上部に膨らみを持たせた曲線を用いて通路の通行に支障がないように造作されている。基部は主材とアーチで構成されており、両者の間にはワーレントラス状に補剛が入れられている。
コンクリートで持ち上げられた基礎の部分にはプレートが埋め込まれており、「中宿火の見櫓改修・塗装工事 奉納者御芳名 金 三十万円也 富士吉田市外二ヶ村 恩賜県有財産保護組合 金三十万円也 北口本宮冨士浅間神社 金二十万円也 神道扶桑教」と記されている。市や富士山信仰の中心で世界遺産にも指定されている北口本宮冨士浅間神社からの寄付が行われているのが特徴的だが、この火の見櫓は、北口本宮冨士浅間神社の例大祭で日本三大奇祭の一つともされる「吉田の火祭り」において、重要な役割を担っている。
裏手のコミュニティセンターが御旅所とされており、例大祭当日の夜、御旅所着輿祭という神事があり、御旅所へ向かう神輿が火の見櫓の両脇に建てられたご神木に張られた注連縄を明神神輿の屋根に立つ鳳凰の嘴で切って火の見櫓をくぐって中へと入り、御旅所への着輿と共に松明に火が灯されるのである。
この櫓の基部が通路を跨ぐ形状となっているのは神輿が通るためであり、このように神事において密接な役割を果たす火の見櫓というのも珍しい。

(2020年1月11日訪問)

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